何度も無料相談会に行っても問題が解決しない理由

※このコラムは動画でも解説しています。


市役所などが主催している相続や法律の無料相談会などに行ったことはありますか?
私も年に一回ほど、町田市役所へ所属している司法書士会の支部の要請で相談員として一般の皆さんから相談を受けることがあります。
こういった、市役所などが主催している無料相談会は、大元が公共の機関ですので皆さん安心して相談に来ることが出来るようです。
毎回、ひっきりなしに相談を受けます。
ですが、こういった無料相談会に何度も行く「無料相談会マニア」のような方もいまして、実はこういった方はいつまで経っても問題は解決しません。
今回はその理由をお伝えします。

市役所などが主催する無料相談会の目的

市役所などの公共機関が主催する無料相談会の目的は、具体的な手続きや解決方法を教える場ではなく、一般的に、相談の内容ではこういう手続きが必要になると考えられるという見解を伝える場所です。
ですので、登記相談であれば、たまに「登記申請書の書き方を教えてくれ」と来る方もいますが、そういった趣旨のものではないのです。

相談時間の制限

無料相談会の相談時間はだいたい30~40分程度のことが多いです。
その短い時間の中で、状況の細部まで聞き取ることは困難ですので、正確な法律や実態判断をすることは非常に難しいです。
大まかな内容から具体的なことを伝えようとすると本当にその人の状況に即したことを伝えられないかもしれません。
あくまである程度の内容を伺ってこういう手続きが必要であるとか、こういった問題が考えられるといったことを伝えます。

相談担当者と継続的に付き合えない

無料相談会の相談員は指名することが出来ませんので、たまたまその日、その時間に担当になった司法書士が相談に乗ることになります。
もし、その担当の司法書士がすごく感じが良くて仕事も出来そうだし、このまま手続きを頼みたいと思った場合でもそれは出来ません。
公共機関が主催している無料相談会では、司法書士が相談者から直接業務を受任することは出来ません
相談者が業務の依頼を希望するのであれば司法書士が所属する団体の連絡先を伝えて、そこから司法書士を紹介してもらうような形になります。
紹介してもらった司法書士がたまたま無料相談会で担当してくれた人にあたるかも知れませんが、町田で登録している司法書士は現在で70名ほどいますので確立は70分の1ほどです。

無料相談会マニア

無料相談会に何度も足しげく通う無料相談会マニアのような方がいます。
前述のとおり、無料相談会では趣旨や相談時間の制限で具体的な解決方法を伝えることは出来ません。
また、何度無料相談にいっても偶然でもない限りは別の担当が相談に乗ることになります。
その為、その都度同じ状況説明をして時間がなくなります。
それでも何度も無料相談会に行く方は結局自分に都合の良いことを話して欲しいか、単にお話しを聞いて欲しいかのどちらかの方が多い印象です。
目的がそういうことであれば何度通ってもらっても良いのですが、多くの方の目的はそうではないと思います。

無料相談会に行く意味

無料相談会に行っても問題の本質的な解決にはつながりません。
ですが、問題のある程度の道筋やどういったことをしなければならないのかを聞く事は出来ます。
そこで、自分ではどうにもなりそうになければ専門家に依頼すれば良いでしょう。
「問題の解決を目指す場所」ではなく、「問題解決にあたってどういったことをしなければならないのかを相談に行く場所」と捉えて下さい。
また、特定の民間団体や事務所が主催しているものではないので、「相談したからには依頼しなければ気まずい」といったような事を気にしなくて良いのもメリットです。

まとめ

  • 無料相談会は具体的に手続き方法を教える趣旨のものではない
  • 無料相談会は問題解決にあたってどういったことをしなければならないかを相談に行く場所
  • 何度も無料相談会に行っても問題の本質的な解決にはならない
     

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