おもひでぽろぽろ 外国人の住所変更登記

司法書士の佐伯です。

 

以前、住所変更登記について記事を書きました。
「住所変更の登記は奥が深いの巻」

 

結構多くの方に読まれているようでして、この辺りは調べる方多いんだな~という印象です。
他にも、外国人がらみの記事についても人気のようで、結構読まれてます。

 

そこで、今度は外国人が所有している不動産について住所変更がある場合について新たにコラムを書いてみようと思います。

 

はい、そうです。
住所変更と外国人がらみのニーズがあるようなのでまとめてしまえという安易な思い付きです(笑)

 

外国人が不動産購入時に日本に住所があって、日本のA市の住所で登記したものの、売却時には住所を移転してB市に居住している場合を想定します。

 

この場合、まずは普通に住民票を取って下さい。
平成24年7月9日から外国人も住民基本台帳に登録、つまり住民票を取得できるようになりました。

 

ですので、日本人が住所変更した場合と同じように、住民票を取れば現住所と前住所を調べることができます。
ただし、外国人は日本人のように戸籍に登録されていませんので、戸籍の附票を取ることができません。
住所を転々移転しているような場合ですと、住民票や除票を一つずつ取っていく必要があります。

 

問題なのが、平成24年7月8日以前に外国人が不動産を取得し、かつ、登記簿上の住所と現住所が相違するような場合です。

 

平成24年7月8日以前に外国人の住所を証明する書類は外国人登録原票記載事項証明書というものでした。
名称が長すぎるので以下、外国人登録原票といいます。

 

例えば、外国人が不動産を平成20年に取得し、平成22年に住所を移転したような場合、現在の住民票を取っても登記簿上の住所である平成20年時点の前住所の記載はありません。
外国人登録原票時代の住所移転のため、住民票には載ってこないのですね。

 

ですので、こういった場合は、閉鎖された外国人登録原票を取らなければ、住所変更をすることができないです。

 

しかも、外国人登録原票は現在廃止されており、出入国在留管理庁に保管されている関係で、霞が関に行かないと取れません。郵送でも可
また、代理人による請求が不可で本人でないと取ることができないという厄介な代物です。

 

さらに、発行まで約1カ月かかってしまうので、不動産の売却決済等で必要な場合に、直前で取ろうと目論んでいても「すぐ出せませんので」と役所に一蹴されてしまいます。
私もこのパターンで半泣きになったことがあります。

 

半泣きにならないためにも、外国人がらみの住所変更の場合は早め早めに書類確保に動きましょう(自戒の念も込めて・・・)。

 

他にも、登記簿上の住所が日本で現住所は外国の場合やその逆の場合。
登記簿上の住所が外国で外国内で住所が移転しているような場合も想定されます。

 

その場合は、日本の住民票や外国人登録原票だけでは、住所の遍歴を証明することができないので、外国の公証役場で宣誓供述書を用意してもらったり、中国、台湾、韓国などの戸籍制度がある国だと戸籍に住所の記載がある場合があるので、そういった書類で住所変更登記を申請していきます。

 

ただ、これは国によって用意してもらう書類がケースバイケースですし、特殊な事例にもなってきますので管轄法務局にも相談して進めた方が良いかと思います。

 

外国人がらみの住所変更はご注意下さい。

 

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