相続放棄の悲劇

8月に入って、連日猛暑日が続きますね。

今年の夏は子どもと海やプールで遊んで、司法書士とは思えない日焼け具合になっています(笑)。

パラオ時代を思い出しますね!

 

さて、今回は相続放棄で起こってしまったある事例です。

以前、相続放棄について遺産分割協議でする放棄と裁判上の手続きでする放棄は違うものなんですよという記事を書きました。

https://www.sss-office.jp/column/post_34.html

復習すると、遺産分割協議での放棄では、債務(負債)の方は放棄出来ない。相続人としての地位もそのまま残ります。

裁判所に申述する相続放棄では、債権(遺産)債務(負債)の全てを放棄して、そもそも相続人とはなっていないことになります。←ここ重要です!

 

これを踏まえて次の事例です。

夫Aさんが死亡しました。相続人は妻Bさん、長男Cさん、次男Dさんです。

Aさんの遺産は自宅の土地建物だけです。自宅には今後もBさんが住み続けます。

Cさん、Dさんはそれぞれ実家を離れて生活しています。

相続人での話し合いの結果、自宅の名義はBさんにすることになりました。

普通はここで三者で遺産分割協議をして手続を進めるのですが、Cさんは少し法律をかじったことがあります。

C「親父の借金はないとは聞いているけど、念のため俺たち兄弟は相続放棄したほうが良いんじゃないか。」「どのみち遺産は実家の不動産だけで、お袋の名義にするわけだしな。」

てな感じです。

これでCさんDさんは、裁判所で相続放棄の手続を済ませてしまいました。

 

これ、重大な問題が起こるのです。

先述しましたが、相続放棄するとそもそも相続人とはなっていないことになりますよね。

CさんDさんが相続放棄すると、Aさんの相続人は、配偶者であるBさんだけになるのでしょうか?

違いますね。

第一順位の相続人である子がいないと第二順位、ここもいないと第三順位の相続人に遺産が承継されます。※配偶者は常に相続人です。

よって、この事例だと、Aさんの親が生きていれば親が相続人となりますが、通常は親の方が先に亡くなりますので、Aさんの兄弟姉妹、兄弟姉妹も死亡している場合はその子(甥姪)が相続人となってしまいます。

親戚一同仲が良くて、ものわかりの良い人ばかりであれば良いのですが、自分が相続権を得たとなると棚ぼたです。

素直にBさん名義に不動産を登記するのに応じてくれないでしょう。

Bさんは自宅を自分名義にするにあたって、他の相続人へ代償金を支払うことも出来ず、結局自宅を売却することになりました。

 

相続放棄は相続人をいわれのない債務から救う制度でありますが、使い方を間違うとこういったことも起こり得ます。

慎重に考えてから行動を起こさなければならないのですが、何せ被相続人の死亡日(正確には死亡を知った日)から3ヶ月以内に手続をしなけらばなりません。

葬儀等でバタバタしていると本当にあっという間です。

手続自体はそれほど難しいものでは無いのですが、様々なリスク等検討しなければなりません。

専門家にしっかり相談しましょう!

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