不動産を共同購入したときの持分の決め方

不動産を夫婦や親子で共同購入すると、名義が共有となります。
登記簿にもそれぞれの所有権の持分割合が登記されることになります。
そこで、よく持分はどうやって決めるのかという質問を一般の方や不動産業者さんからも質問されるので基本的な考え方や持分割合の決め方を解説します。

現金(キャッシュ)で購入した場合

不動産を住宅ローンなどを組まずに手持ち資金で購入した場合を考えます。5000万円の不動産を夫3500万円、妻1500万円の拠出割合で購入したとします。
そうすると全体5000万円のうち夫が3500万円出しているので5000分の3500を約分して持分は10分の7、同様に全体5000万円のうち妻が1500万円出しているので5000分の1500を約分して持分は10分の3ということになります。

住宅ローンを組んだ場合

住宅ローンを組んだ場合の考え方です。
5000万円の不動産を購入、手持ち資金は夫1000万円、妻500万円として残りをローンでまかなう場合を考えます。

①住宅ローンを夫だけが債務者となって借りる場合

この場合は、住宅ローンで不足する3500万円を夫が単独で借りますので、夫が負担するのは5000万円中4500万円となり、夫持分は10分の9です。
妻は5000万円中500万円の負担ですので、妻持分は10分の1となります。

②夫と妻のペアローンの場合

夫婦がそれぞれ債務者となって住宅ローンを借りるペアローンの場合です。
夫が2500万円借りて、妻が1000万円借りるとします。
住宅ローンの契約は夫と妻がそれぞれ締結することになります。
そうすると夫の負担額は手持ち資金の1000万円+住宅ローンの2500万円の合計3500万円となり、5000万円中3500万円の負担ですので、夫持分は10分の7となります。
妻は手持ち資金500万円+住宅ローンの1000万円の合計1500万円となり、5000万円中1500万円の負担ですので、妻持分は10分の3となります。

③夫と妻が連帯債務者の場合

ペアローンと違うのは住宅ローンの契約は1本でそれを夫婦が連帯債務者となる点です。
連帯債務者はそれぞれが債権者に対して全額返済する義務を負います。
こういった場合に持分の割合をどのように決めるかが問題となります。

まず、住宅ローンで借りる金額は不動産購入に不足する3500万円です。
法律上はこれを夫婦がそれぞれ全額返済する義務があるので、実質1750万円ずつ借りたことと同じと考えると、夫は手持ち資金1000万円+住宅ローン1750万円の合計2750万円となり、持分は20分の11です。
妻は同様の計算で持分20分の9となります。

ですが、実際この住宅ローンを夫婦がまったく同じ金額ずつ月々返済しているのであればこれで正しいのですが、夫と妻の収入比がまったく同じということはあまりないでしょう。
例えば収入比が夫:妻で5:2としましょう。
そうすると住宅ローンの返済もこの収入比で考えます。
住宅ローンで借りた3500万円のうち夫の返済分は2500万円、妻の返済分は1000万円となります。
ですので、手持ち資金とこの実質返済分を合算すると夫は3500万円、妻は1500万円となります。
この場合の持分割合は、夫10分の7、妻10分の3です。
このように、連帯債務の場合は、連帯債務者どうしの収入割合で決定することになります。

持分割合が正しくない場合

実際は夫が代金を全額を支払っているのに、妻に持分を持たせている場合や、本来支払った代金分より多くの持分を持たせてしまっている場合はどうなるのでしょうか。
実はこういった場合は、その余分に持たせた持分について夫から妻へ贈与がなされているとみなされてしまいます。

例えば、5000万円の不動産を夫が90%、妻が10%拠出して購入しているのにもかかわらず、夫2分の1、妻2分の1で登記してしまった場合、夫から妻へ2000万円の贈与がされたことになってしまいます。
贈与税の税率は非常に高いので、持分を誤った登記してしまった場合に慌ててどうしたらいいかご連絡をいただくことがあります。
こういった場合には所有権更正登記といって、本来の持分割合に修正する登記をしなければ贈与税の課税は免れません。
場合によっては、不動産売買の売主にも協力を求めたり、住宅ローンの金融機関の協力が必要になることもありますので、間違ったら簡単に修正できるとは思わない方が良いでしょう。
登記の持分割合が違った場合はなるべく早く司法書士に相談しましょう。

 

以上、持分割合の決め方や誤った割合で登記してしまった場合について解説しました。
これから割合を決めるという方やもし間違って登記してしまった方は参考にして下さい。
また、住宅ローン控除などを利用する際に持分割合によって控除金額に差が出ることもありますのでこのあたりは不動産屋さんなどと良く相談して決めて下さい。

 

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