相続人とその相続分

町田の相続,遺言,成年後見,会社設立の専門家,司法書士の佐伯知哉です。

最近、婚外子の相続差別について違憲判決が出るかについて、テレビなどで話題になっていますね。

今回は、相続人となる人とその相続分について書きたいと思います。

相続人となる人

相続人となる者については、民法の第887、889、890条に記載があります。

まとめますと、

①配偶者(夫または妻)は常に相続人となる

②第一順位の相続人は被相続人の子

③第二順位の相続人は被相続人の直系尊属(親や祖父母など)

④第三順位の相続人は被相続人の兄弟姉妹

となっています。

つまり、被相続人に妻がいて、子がいなくて、親や祖父母は死亡していて、弟がいる場合は、相続人となるのは『妻と弟』ということになります。

ポイントは、配偶者はどのような組み合わせの時でも相続人になるところです。

他の相続人は上記の②から④の順番で決まります。

逆に②から④の相続人が同時に相続人となることはありません。

例えば、子がいれば、直系尊属や兄弟姉妹は相続人とはなれません。

厳密には、前述の例で、子がいない理由として、被相続人より子の方が先に死亡している場合で、子に子(被相続人からすると孫にあたる)がいる場合などは代襲相続というものもあるのですが、簡略化するために今回は割愛いたします。

相続人の相続分

相続人の相続分については、民法の第900条に記載があります。

こちらをまとめると、

①兄弟姉妹の相続分の割合を1とすると、配偶者は3となる

②直系尊属の相続分の割合を1とすると、配偶者は2となる

③子の相続分の割合を1とすると、配偶者は1となる

④兄弟姉妹、直系尊属、子が数人いる時は、各自の相続分は等しい

となります。

例えば、相続人が配偶者と兄弟姉妹(兄と妹)の3人の場合で相続財産が現金4000万円だとします。

①より兄弟姉妹の相続分割合は1なので、兄と妹の相続分は現金1000万円です。

配偶者の相続分割合は3なので、配偶者の相続分は現金3000万円となります。

④より兄と妹では相続分割合に差はありませんので、それぞれで500万円ずつ分けることになります。

これは一例ですが、相続分割合を算出する時は、一番相続分の少ない人を基準にして、考えると計算しやすいです。

このように、相続分の割合は原則としては①から④のようになっていますが、最近話題になっている婚外子(法律的には非嫡出子(ひちゃくしゅつし)といいます)は、婚姻関係にある夫婦の子(嫡出子)の相続分の2分の1となります。

兄弟姉妹の場合も、片親違いの兄弟姉妹の場合は、両親を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。

婚外子の相続分が嫡出子の半分となっていることが、法の下の平等を規定した憲法第14条に違反するのではないかと問題になっているのです。

違憲判決が出ると、法律も変わりますので、我々法律家としては注目の裁判となります。

相続分割合の計算を間違ったりしたら大事ですからね。

私見はさておき、どうなることでしょうか。

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